COLUMN コラム

vol.08 企業の効率化から人間の生産性向上へ

人類は「人口オーナス期」に突入しています。日本はその先陣を切って人類がこれまで経験しなかった事態にどのように立ち向かっていくべきかが試されています。

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前時代は人口ボーナス期だった

人口ボーナス期のイメージ画像

これまでのように人口が増えていく時期を「人口ボーナス期」といい、文化的・経済的に自然に発展する時期でした。

「人口ボーナス期」には経済成長に伴い、市場や企業の規模が拡大し、その結果、スケールメリットとしての業務効率化・合理化が進みました。企業はあらゆる面でスケール拡大の恩恵として生産性向上を実現できたのですが、実はその大部分は真の生産性向上ではなく、生産性向上の手段の一部である業務効率化、すなわち量の拡大を進めていただけだったのです。

私たちは業務の標準化による品質の安定やムリ・ムダ・ムラの排除など生産性向上の名のもとに弛まぬ努力をしてきましたが、それらの殆どはプロセスの改善であり、大量生産時代に適した業務の効率化・合理化だったのです。組織の効率性向上こそが主目的だったわけです。

現代は人口オーナス期

ところが現在直面している「人口オーナス※期」には、市場も縮小し、大量生産の時代は終焉し、労働人口も減少します。時代は変わったのです。今こそ、組織の効率性の追求から人間の生産性に視点を移し、企業も真の生産性向上を目指さなければなりません。

オーナス(onus)とは

英語で「重荷」「負担」を意味する言葉です。人口構成の変化が経済にとってマイナスに作用する状態を指す「人口オーナス」という用語で使われます。

引用元:三井住友DSアセットマネジメント株式会社 わかりやすい用語集

 

真の生産性向上が問われる時代へ

ではなぜ真の生産性向上が必要なのでしょうか?

それは限られた人材によってより多くのアウトプット(価値)を生んでいかなくてはいけないからです。もちろん業務効率化をやめてしまう必要はありません。

しかし、これまでのように業務効率化だけを追求していたのでは真の付加価値は増大しないのです。生産性向上への抜本的な取組によってのみ、企業の土台を整え、企業の利益を追求することが可能となるのです。では、どうすれば良いのでしょうか?

真の生産性向上に向けた具体的な手法をご紹介

その一、コア業務とノンコア業務を切り分けよう

まず、企業の核心的利益である付加価値を生み出しているコア業務と、企業の利益に直結しないノンコア業務を切り分け、ノンコア業務は外注化したりAIに任せて、社員をコア業務に集中させることです。もういちど業務を細分化し、切り分けることにより、付加価値を生み出す業務のみを残すことにより生産性が向上します。

その二、社員のエンゲージメントを向上しよう

次に、企業のビジョンを掲げて、社員のエンゲージメントの向上を図りましょう。エンゲージメントとは、企業に対する愛着や、企業のビジョンに対する共感のことを指します。エンゲージメントは生産性・売上伸長率の高さに直結します。これには、社内コミュニケーションの活性化、公正で客観的な人事評価制度の導入、自律的に働ける労働環境の整備などが重要な役割を果たします。

その三、AIエージェントを活用しよう

最後にAIエージェントの活用です。昨年11月にウイーンで開催されたドラッカー記念フォーラムにおいても、人口が減少する一方で多様なAIエージェントの仕事や社会生活におけるコミュニケーションが急速に増加していく、社会や企業とは人と人とが繋がりあうネットワークなのだが、それを構成する人の数が急減するのに対して、まるで人のようにコミュニケーションを行うAIエージェントが企業や社会の中に浸透していく、と予想しています。

まとめ

今後100年にわたると思われる逆スケーリングの時代にどのように対処していくのか?世界が日本に、私たちに注目しています。

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