COLUMN コラム

vol.11 基本原理思考で変革に挑む

イーロン・マスクによる変革は「基本原理思考Fundamental-principles thinking」または「第一原理主義 First-principles thinking」という思考法で進められ、効果をあげています。イーロン・マスクの他にも、スティーブ・ジョブスなども「基本原理思考」で成功を収めたといわれています。「基本原理思考」は、困難な状況に立ち向かい、革新的な解決策を産み出すための強力な思考法のひとつです。

皆さんの会社や業務の変革にも「基本原理思考」はたいへん役に立つと思います。では「基本原理思考」とはどのようなものなのでしょうか?

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イーロン・マスクのスペースX用ロケットエンジンの改革

イーロン・マスクのスペースX用ロケットエンジンの改革はその例として最適です。

イーロン・マスクはロケット製造のコストは高いものだという常識に対し、「ロケットは何でできているのか?」という基本的な問いから出発し、材料費を一つ一つ洗い出し、自社で部品を製造することで大幅なコスト削減を実現しました。

下の写真はロケットエンジンですが、2021年のRAPTOR1に比べ2023年のRAPTOR2、2024年のRAPTOR3は大幅に簡素化されていることがわかると思います。

第一原理主義エンジン

画像提供:SpaceX 第一原理主義エンジン

「基本原理思考」の5つの特徴

基本原理思考の特徴は5つあります。

1.前提の否定と再検証

これまで当たり前とされてきた前提や常識を疑い、本当に正しいのかどうかを根本的から問い直します。

2.本質的な理解

物事の表面的な現象にとらわれず、その根底にある原理原則の理解に努めます。

3.ゼロからの発想

既存の枠組みにとらわれず、基本原理(Fundamental principles)に基づいて新しいアイディアや解決策を産み出そうとします。

4.深い洞察力

表面的な情報に惑わされず、物事の本質を見抜く力を養います。

5.革新的な解決策

従来の延長線上にはない、独創的で効果的な解決策を求めます。

「基本原理思考」を実践するための4つのポイント

基本原理思考を実践するためには次のようなポイントを押さえる必要があります。

1.批判的思考

既存の情報を鵜吞みにせず、常に「なぜそうなのか?」と問い続ける姿勢が必要です。

2.知識の習得

幅広い分野の基本的な原理・法則を理解しておくことが深い思考の原点となります。

3.論理的思考

基本原理から結論を導き出すためには、論理的な思考が不可欠です。

4.柔軟な思考

基本原理に基づいて考えた結論が、必ずしも唯一の正解とは限りません。状況に応じて柔軟に考え方を変えることも重要です。

スティーブ・ジョブスの思考や行動にも通じている

iPhoneを開発したスティーブ・ジョブスの思考や行動には「基本原理思考」「第一原理主義」に通じる要素が多くあります。

・徹底的なシンプルさの追求

物事の本質を見抜き、不要な要素を徹底的に排除する「基本原理思考」と共通する考え方です。

・既成概念への挑戦

当時のコンピュータの概念を覆すような革新的製品を次々と生み出しました。

・「なぜ?」を問い続ける姿勢

ジョブスは現状に満足せず、「なぜそうなのか?」「もっと良くならないのか?」と常に問い続け、本質的な解決策を探し求めました。これは「基本原理思考」の前提の否定と再検証の姿勢に通じます。
・直感と信念の重視

論理的な分析だけでなく、自身の直感や信念を強く信じ、それを確信をもって貫き通しました。

皆さんもこの変動の時代に、基本原理に立ち返って身の回りを見てみませんか?

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