COLUMN コラム

vol.07 Process Innovation 製法革新・工程革新(その二)

前回に続き、「変革」についてのお話です。

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マネジメントの父が提言した「7つの機会」

マネジメントの父と呼ばれるピーター.F.ドラッカー(1909-2005)は「イノベーションのきっかけとして次の7つの機会(チャンス)」を提言しています。
1 予期せぬ成功、予期せぬ失敗、予期せぬ出来事
2 ギャップを探す
3 真のニーズを見つける
4 産業構造の変化を知る
5 人口構造の変化に着目する
6 認識の変化をとらえる
7 新しい知識を活用する

彼は、経営者を念頭にこの「イノベーションの7つの機会」を提示したのですが、これらのほとんどは、設計、購買、製造現場、事務作業、営業を含むさまざまな日常業務にもあてはまります。ここでは製造現場を例に考えてみましょう。

1 予期せぬ成功、予期せぬ失敗、予期せぬ出来事

日常の生産の中で「思わぬ」出来事というのは必ずあります。それが成功であっても、失敗であってもその出来事を漫然と見過ごさず、「どうしてこれが起きたのか?」とその原因を考えましょう。予想していなかった出来事の中に、従来の作業を変革する何かがみつかるはずです。

2 ギャップを探す

ギャップとは、理想と日常のギャップのことです。何か「本当はこうだったら良いのに」と思う出来事があったとしたら、それはギャップを見つけたということです。理想と現実とのギャップがどうすれば埋まるのか、その方法を考えることがイノベーションのきっかけになります。

3 真のニーズを見つける

今の言葉でいえば「インサイト抽出」です。一般的には市場や顧客の真のニーズのことを指すことが多いのですが、製造現場においても日常の作業の中で、「これは真に付加価値を産む作業なのか」と絶えず考え、そうではないムダな作業を掘り起こし、付加価値を産まない作業をどうすれば排除できるか?別の方法は無いのか?と追求していけばこれもイノベーションのきっかけになります。

4 産業構造の変化を知る

現在、サプライチェーンの形は日々変化しています。もし旧態依然の調達、出荷を漫然と続けているのであれば、見直してみましょう。時間、コスト、在庫などすべてにおいて、いつのまにか変革の機会を失ってしまっていないでしょうか。

5 人口構造の変化に着目する

少子化に伴う労働人口の減少はどの企業にとっても大きな問題です。もしあなたの職場が男性でなければ難しい作業をしているとすれば、女性労働力や高齢者労働力を取り込めないか、考えてみましょう。

どうすれば今の仕事に女性や高齢者が安心して従事することができるか?現在はそのためのさまざまなツールやシステムが入手可能です。専門職や経験者でないとできない、これは力仕事だから、と思い込んでいる業務も、本当にそうなのか考え直してみましょう。業務の洗い出しや再分割(業務レイヤーの細分化)をして、今の作業の一部でも、ツールやシステムの導入により女性や高齢者が従事できる作業に変えることができないか?考えてみましょう。

6 認識の変化をとらえる

世の中の価値観も大きく変わっています。あなたの仕事は悪い意味でルーティン化していませんか?何年も同じ環境で仕事をしていてそれに慣れ切ってしまってはいませんか?そのような環境の中で変革を進めることはなかなか困難です。どんなに新しい設備を導入してもそれはいつの間にか旧式のものとなっていきます。それを陳腐化といいます。

そのような時は、小さなことから変えていって、徐々に職場に変革の意識が定着するように工夫しましょう。5Sの推進を含め、ロッカールームの整理、タイムカードの見直し、床の張り替えなど、目先のことや小さなことを変えていくことで、変革を求めるカルチャーが生まれ、変革への意識向上に効果があります。何年ものあいだ何も変わらない社内環境では、業務変革の意識は生まれることはありません。

7 新しい知識を活用する

現在溢れかえっている世の中の新しい技術、知識をどんどん職場に取り入れて業務を見直していきましょう。

この「7つの機会」を常に心がけ、実行することにより、あなたの業務のイノベーション(変革)が達成されるでしょう。

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