環境や医療など4テーマの研究会がスタート
わかやま産業振興財団の専門技術研究会は、平成20年度からスタートし、これまで数多くの研究会が採択されました。
そして令和7年度は、「環境技術研究会」「ヘルスケア・医療機器技術研究会」「樹脂産業研究会」「海の会議」の4テーマが採択され、7月末から活動をスタートしています。
▼昨年度の開催の様子はコチラ
専門技術研究会 「第2回 環境技術研究会」が開催されました!
「樹脂産業研究会」は、今年度新たにスタートするテーマですが、他は継続テーマです。継続的な活動によってより効果を高められると考えています。
そして、「環境に配慮した技術開発」を重視した研究会が多いことは特徴と言えるでしょう。専門家による講演会の実施や関係者の交流を深め、連携の強化を図ろうとしています。
4テーマの研究会の概要
環境技術研究会

製造メーカーの製造時の環境に配慮した取組には、省エネルギー、排出CO2の削減、資源の有効利用、廃棄物削減、化学物質・排出物の管理など多岐に渡ります。この中で、本研究会は、各種製造業の環境分野の中でも、特に工場の排水処理にターゲットをあてています。
「当研究会の活動により、基礎知識の再確認、最新技術の普及を行い、会員の環境分野の知見を高めて環境保全を進めるとともに、排水処理に関わるコスト削減を進めて企業経営の改善を目指していきます。また、会員相互の情報交換を行い、会員相互の連携も進めてまいります」(代表;エコ和歌山株式会社 中田 祐史 氏)
本研究会には、企業10社、和歌山県工業技術センター、和歌山工業高等専門学校、和歌山県発明協会から参加登録されています。
ヘルスケア・医療機器技術研究会

高齢化社会を迎えており、21世紀の科学技術の分野ではヘルスケア・医療機器は非常に重要な分野のひとつと位置付けられています。そして、その取組には医療の知恵と工学の力を融合させてよりよい医療を実現する「医工連携」は重要な鍵であり、もっと発展させていく必要があると考えられます。
「健康で安定した生活を維持するためにも、新規なヘルスケア・医療機器の充実は喫緊の課題です。ヘルスケア・医療機器に関する優れた技術シーズを持つ大学の研究者と、材料・素材開発、回路・制御システム設計、ソフトウェア開発、システム設計などに関する優れた技術力を持つ企業が協力することで、和歌山県発の産学官連携共同開発による革新的なヘルスケア・医療機器の開発・製品化を目指していきます」(代表;近畿大学 西川 博昭 氏)
本研究会には、企業8社12名、近畿大学生物理工学部、和歌山県工業技術センター、東京医療保健大学 和歌山看護学部、大阪公立大学から参加登録されています。
樹脂産業研究会

プラスチック樹脂のペレット

樹脂の射出成型
和歌山県はもともと樹脂産業が盛んではありますが、最近は、環境調和・リサイクルプラスチックを手掛ける企業、プラスチックの加飾技術を持つ企業などが県外からも含めて増えています。一方、後継者問題、人手不足、未来の樹脂産業への取組など、様々な課題にも直面しています。
「樹脂産業の未来を切り拓くためのアプローチ(持続可能な樹脂産業と技術革新の基盤つくり)として、「デジタル化と自動化の推進(DXを活用したスマートファクトリーなど)」「エコフレンドリーな素材への対応」「リサイクル材の成形方法の改善」などのテーマで研究会を開催し、産学官や企業間の連携にもつなげることを目指し、樹脂産業を盛り上げていければと考えています」(代表;和田精工株式会社 枡谷 宏典 氏)
本研究会には、企業12社(樹脂原料、金型、成形加工、加飾、日用品などの企業)、和歌山県工業技術センターから参加登録されています。
海の会議

海洋環境保全に関しては、海洋プラスチックをはじめとするごみ問題や、地球温暖化による海水温や気候の変化による珊瑚や海産物など海洋環境への影響など多岐にわたるかと思います。海洋プラスチックに関しては、何も手を打たなければ、2050年(早ければ2040年)には、海にあるプラスチックの量が魚の量を上回ってしまうとも言われています。私たち一人ひとりの地球環境に対する意識が大切です。
「海洋環境保全に関わる研究会ではありますが、今年度は、海洋環境保全に関わる事業だけではなく、沿岸域という場所を活用した海洋教育に関する事業紹介の編成で実施の予定です。本研究会員には、県内企業に限らず産官学の多岐から構成されており、意識の高い方には個人の参加をいただいています。この研究会を通し、和歌山県内企業を中心としたローカルゼブラ(事業を通じて地域課題解決を図り、社会的インパクト(社会に対する良い変化)を創出しながら、収益を確保すること)構造を創出し、和歌山の海洋環境を改善できるような研究会を目指していきます」(代表;和歌山工業高等専門学校 楠部 真崇 氏)
本研究会には、企業7社、個人6名、和歌山工業高等専門学校、和歌山県工業技術センターから参加登録されています。
まとめ
これらのテーマにご興味を持たれている企業や個人の方は、ぜひとも参加をご検討ください。年度の途中からのご参加もOKです。そして来年度以降、新たなテーマで研究会を立ち上げようと思われている方、大歓迎です!
わかやま産業振興財団としても、新たな研究会の立ち上げに協力させていただきます。専門技術研究会で産学官連携や企業間連携を進め、みんなの力で和歌山県の産業界を大いに盛り上げていきませんか?
興味が湧いたら、財団のテクノ振興部まで
産学官連携や知財活用のことに少しでも興味をお持ちでしたら、まずはお気軽にご相談ください。
公益財団法人わかやま産業振興財団 テクノ振興部テクノ振興班
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(公財)わかやま産業振興財団テクノ振興部の科学技術コーディネーターの三井と、新事業支援コーディネーターの細川です。「大学や公設試のシーズ」と「企業のニーズ」、企業間の連携(マッチング)のお手伝いをしています。その他のことでもお気軽にご相談ください。