自己紹介
私はリハビリテーション専門の1つである作業療法士として、病気や障害がある方の生活が豊かになるように15年間支援してきました。この15年の間にテクノロジーは発展しています。私たちの生活でも、パソコンやスマートフォンが日常となり、生活が便利になりました。このテクノロジーの発展は、障害がある方の生活にも大きな影響を与えています。例えば、手足がほとんど動かないような重度の障害がある方が、スイッチ1つ押すことで、パソコンを操作して社会参加されています。しかしながら、このテクノロジーの発展による可能性は、当事者にまだまだ行き届いていません。そこで、テクノロジーを活用して当事者の生活が豊かになり、いきいきできる地域作りを目標に、当事者らへの有償サポートを起業しました。
補助金に応募するきっかけ・応募してよかったこと
当事者がテクノロジーを活用して生活を豊かにするためには、支援機器を知る機会、触れる機会、自分の体に適合してもらう機会を確保していくことが必要です。当事者が挑戦してみたい、やってみたいという気持ちを少しでも抱いてもらえた場合は、すぐに対応していくことが求められます。障害のある方の心身の状況はさまざまで、当事者×活動(生活)×支援機器の組み合わせは、本当に多様です。そのため、私は、補助金を活用して、さまざまな支援機器を備えておくことで、当事者に良い機会、経験を提供することを目的に応募しました。
さらに応募に当たって事業計画書の作成は、自身の事業の計画を具体的にすることにつながりました。また、事業計画書作成に当たってわかやま産業振興財団のスタッフの皆さまとのディスカッションは、経営経験の無い私にとって起業後の事業展開をイメージの具体化にもつながりました。
近況紹介(新しい取り組み、良かったこと、困ったことなど)
現在は、当事者の元にテクノロジーの活用の情報が届くように活動しています。広報活動としては、ホームページ・SNSを活用した情報発信、医療機関・介護事業所への営業、支援者向けセミナーでの講師などに取り組んでいます。支援機器も無事にそろい始めましたので、まずは私自身がより専門的に取り組めるように練習も進めていきます。そこで得た知識や技術は、オンラインセミナーなどに活用する予定にしています。また、採択者が参加できるクラウドファンディングのページ作りにも取り掛かっています。無事にクラウドファンディングを達成して、当事者へのICT体験会、和歌山県初の障害者向けのeスポーツの大会を実現させたいと考えています。
ホームページ、パンフレットなどの作成に思いのほか時間を取られましたが、9月には広報用のパンフレットも完成する予定ですので、営業活動にますます精を出していこうと考えています。
今後の事業の展望
まずは2~3年かけ、テクノロジーを活用して活躍している当事者の情報を発信し、当事者が活躍できるモデルを提供していきたいと考えています。その中で、当事者、当事者の支援者が、テクノロジーを活用することで、当事者の生活が豊かになる可能性があることを知ってもらいたいと考えています。同時に、eスポーツの大会、ICT体験会、当事者主体の3Dプリンターを活用した交流会などを通して、当事者の生活が拡大していくようなサポートができればと考えています。また、当事者の希望に応じてテクノロジーの活用と就学や就労にもつなげていきたいです。
最終的には、年齢、性別、障害の有無など関係なく、それぞれの人がそれぞれの形で活躍していける地域創りに寄与できると嬉しいと思っています。
クラウドファンディングの実績:「たとえ重い障害があっても、ICTを使えば社会とつながれる!」 作業療法士は伝えたい、届けたい