意思決定のための会計
令和8年2月10日、和歌山市のマルコーホーム中央コミュニティセンターにて、「経営目標実行会計セミナー」を開催しました。このセミナーは「わかやま生産性向上スクール」の一環として開催するもので、スクール受講生以外の方も参加いただけるものです。計42名が参加しました。
講師として、株式会社商工組合中央金庫 コンサルティング室 コンサルタントの鈴木 高浩 氏にご登壇いただきました。本セミナーでは、財務会計に対する管理会計を「意思決定会計」と言い換え、おもにTOC理論に基づいた考え方とグループワークを行いました。
TOC理論(Theory of Constraints、制約理論)とは?
TOCの理論と実践の体系は多岐に渡りますが、その核心にある理解は、「つながり」と「ばらつき」のある組織の仕事の流れの中にはどこかに必ず制約(ボトルネック)があり、その制約に集中して改善することで組織全体に成果がもたらされるということです。
引用元:Goldratt -TOCとは より

講師の株式会社商工組合中央金庫 鈴木氏
ボトルネックの改善が第一!
製造業における「制約」とは、ボトルネック工程のこと。つまり、ボトルネック工程を最大限に活用することで、スループット(単位時間あたりに生産される製品数)を増やすことができ、それが利益増に直結するということです。
セミナー内では、以下のボトルネック改善5ステップを紹介。
1. 業務フローの中のボトルネックを特定する
2. ボトルネックを徹底活用する
3. ボトルネックにその他すべてのリソースを従属させる
4. ボトルネック自体の能力を高める
5. ボトルネックが解消されたらステップ1に戻る
ボトルネックに着目することが、今回のセミナーで一番大切なこととして挙げられました。
たとえば、ボトルネック以外の工程の改善をしても、ボトルネック工程の効率がそのままなら、スループットもそのままです。それだけでなく、他工程を改善した分、むしろ仕掛品・手待ち時間が増加することとなり、利益が増えないどころか仕掛品増でキャッシュが減ってしまう事態に陥ってしまいます。このような改善の落とし穴にはまらないためにも「ステップ3. ボトルネックにその他すべてのリソースを従属させる」 が重要です。ボトルネック工程の生産能力にあわせ、あえて他工程の生産量を減らすことで仕掛品を減らす=キャッシュを増やすという視点が示されていました。
また、グループワークで用いられた例題は「限られた時間で、どの製品を優先して製造した方が儲かるのか?」という内容のもので、ボトルネック改善の効果を利益の額で知ることができました。
このほか、在庫保有のメリット・デメリット、標準原価の算定にも触れる内容が実施されました。
「スクール」は令和8年度も開講予定です
「わかやま生産性向上スクール」は、令和8年度も開講を予定しています。
当スクールは、わかやま人材確保・育成支援プロジェクト(旧・地域活性化雇用創造プロジェクト(通称:地プロ)の主要事業であり、5S、QC、IEなどの現場改善の基本手法に加え、現場でのIoTの活用やIT化・システム化の導入に必要なデータに基づく論理的思考を習得するための「座学」、座学で得た知識を実践習得するための「現場実習」を通して、企業全体の生産性向上を牽引するリーダーを育成するものです。
管理者・現場リーダー・リーダー候補の方に自信を持っておすすめできる、長期(月2回程度、約半年間)かつ実践的カリキュラムと、修了後のフォローアップをご用意しています。
この他、地プロでは、DX推進員によるお悩み相談を随時お受けしているほか、DXに関する最新情報を得られるセミナー開催等をおこなっています。まずはお気軽にお問い合わせください!
当プロジェクト(地プロ)は、和歌山県が厚生労働省の採択を受けて、県内企業がDX推進により企業の経営力を強化することで、安定的かつ良質な雇用の創出を図る取組です。