テクノサロンで企業視察に
第191回テクノサロンでは企業視察として、株式会社ダイセル姫路製造所網干工場視察を令和7年11月7日(金)に開催しました。株式会社ダイセルは、「ダイセル式生産革新」という生産方法で生産性向上をしている会社であり、その根本にある社員の教育、研修の取組についても有名な会社です。今回の視察では、生産性や教育に対する取組と設計思想などを教えていただきました。
テクノサロンとは
テクノサロンとは、財団の賛助会員の中から、特に地域産業技術の向上を図る趣旨にご賛同いただいた会員からなる組織です。会員様相互の情報交換、人的、技術的な交流を行うとともに見識を高めるため、以下を実施しています。
①講演会の開催
②会員相互の情報交換
③財団事業等の紹介
④先進企業等の視察など
賛助会員、テクノサロン会員は随時募集しておりますので、ご興味ある企業の皆様は、お問合せください。会員特典等をお伝えさせていただきます。
「基本に始まり、基本に返る」教育訓練センターにて

株式会社ダイセル イノベーション・パークにて
まず初めに、株式会社ダイセル イノベーション・パークにて、同社の取組みや概要説明を受けた後に研修訓練センターを見学させていただきました。
同社の教育制度に対する設計思想は徹底されており、生産活動の中核となる人間活動全体の「システム」を強化するため、生産部門のマネージャーが中心となり、現場に根付いたノウハウを指導・伝承する役割を果たしています。「基本に始まり、基本に返る」ということで、作業と判断の標準化と共通言語の醸成を徹底して行い、教育訓練センターが基本に立ち返る場所として年間を通して研修が行われています。特徴的だったのは、実際の生産プロセスを現場と同じように設定できる管理システムや試験プラントにより試行できる徹底して学べる場が作られていることです。これによってチームでの対話や協調性を育成するという設計になっていました。草刈り実習という一見変わった研修も、これらの教育思想に基づいて行われているようです。
参加された皆様も同社の教育に対する取組に大変興味を持たれ、多くの質問がなされていました。
ダイセル式生産革新の取組
工場を見学させていただいた後、生産コントロールセンターも見学させていただきました。こちらでは同工場の生産を一括に管理されており、常にどのような状態か見えるようになっていました。
株式会社ダイセルの生産革新の取組は、1990年代に直面したベテランオペレーターの大量退職による技能伝承の危機を起点とし、2000年から段階的に進められてきたようです。現場の徹底的な調査から始まる「0段階」と、「基盤整備・安定化」「標準化」「システム化」の3ステップから成る体系的アプローチで構成されていたようです。特に、ベテランの暗黙知を形式知化する独自手法「総合オペラビリティスタディ(OBS)」を開発し、網干工場だけで840万通りにおよぶ運転ノウハウを体系化されました。
株式会社ダイセルの生産革新は、一足飛びのデジタル化ではなく、現場に根差した泥臭い改善を積み上げであり、今回その体系的なプロセスで実行してきた背景を伺うことができました。現在では、これらの積み重ねてきたデータをもとにAIを活用しながら、同社はさらなる人間中心の効率化にむけて取組を進めているようです。
ダイセル式生産革新の詳細については、こちらをご覧ください。

株式会社ダイセルの社員の皆様との集合写真
参加者アンケート
皆様のアンケート内容を一部ご紹介させていただきます。
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何か一つのアイデアで改善したのではなく、膨大な量の積み重ねを感じました。 |
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得た知見をデータ化することで、AIに学ばせることもできるし、蓄積したデータを可視化しやすいことがわかりました。 |
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社内の基準統一の重要性を再認識できました。また、あのレベルまで至らないとしても、当社での事故事例に関する教育や新入社員研修など、今後の参考にさせていただきたいと考えております。 |
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教育に関して非常に参考になりました。 |
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特に重要な事例をまずはシステムにおとしたこと、優先順位をつけて取り組んだことが速いスピードで成果を出した要素だと感じました。 |
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社員教育の重要性と作業の平準化は素晴らしいと感じました。 |
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生産性革新の進め方、教育訓練の仕方、それを両立させている思想について知れたこと。 |
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品質の安定、効率化や原価低減等の成果を生み出し続けるための、統一化、標準化、組織の体制の見直しやフロアのレイアウトに至るまで具体的な取組を教えていただき大変勉強になりました。 |
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管理の最新の形を見学でき、改革の進め方に関してそれぞれのステップでの手法の紹介や失敗例などの紹介もあり、弊社の課題とそのアプローチの妥当性を判断するのに非常に参考になりました。事務用品の一元管理と富山の置き薬方式の発注、月1回の伝票処理は非常に興味深く驚きました。教育センターでのマナー教育の成果か非常に印象が良いと感じました。 |
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作業の標準化に取り組み、基本を大切にしていることに感銘を受けました。 |
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人材育成、その教育計画が標準化されており、誰でも同じレベルで学べる仕組みが整っていることが素晴らしくまた、品質や安全の維持、向上に繋がっている点が印象的でした。 |
今回のテクノサロンも非常に学び深いものとなりました。テクノサロン事務局としましても、引き続きこのような企業視察など学びの場を設けていく予定です。引き続きどうぞよろしくお願いします。
今後について
テクノサロンでは、今後も講演会、交流会や企業視察を開催企画しています。
テクノサロン会員にご関心がありましたら、ぜひお問い合わせください。
お問合せ先:(公財)わかやま産業振興財団 テクノ振興部テクノ振興班 073-432-5122
公益財団法人わかやま産業振興財団、テクノ振興部テクノ振興班です。 中小企業等の研究開発に対する支援、生産性向上等に資する研修、産学官連携など、テクノロジーに関する多角的な支援事業を実施しています。