COLUMN コラム

vol.05 【産学官連携事例】緑色を保持したキウイ加工品の開発

企業間の連携や、産学連携、産学官連携などを進めようとすると、言葉であらわすほど実際には簡単ではないかもしれません。しかし1社ではなかなかできないことを、連携することによって、想像以上に技術や商品価値がアップすることがあります。

重要なことは、やはり関係する全ての皆さんにとってWin-Winになれるような連携です。このコラムでは、企業間連携、産学連携、産学官連携のメリットをご紹介します。

アップデートイメージ

「知る」のアップデート

企業間連携、産学連携、産学官連携で Win-Win になる

おススメイメージ

こんな人にオススメ!

技術・商品開発に、外部の力を借りたい方、自社技術を持て余している方

「緑色を保持したキウイ加工品の開発」を産学官で共同開発!

産学官連携の具体的な事例をご紹介します。

和歌山県は梅、みかん、柿、山椒などの生産量が全国1位ですが、キウイフルーツの生産量も全国3位なのです!キウイフルーツの果肉のエメラルドグリーンと甘酸っぱく特徴のある食感や優れた栄養価が魅力です。不溶性食物繊維、ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、カリウム、アクチニジン等が含まれています。

国産キウイ

国産キウイ

ところでキウイの果肉は、加熱処理や殺菌工程を経ることで緑色から茶色に変色するため、緑色を保持したキウイ加工品を製造することが困難でした。
株式会社八旗農園(以下、八旗農園)技術顧問の中村浩一さんがキウイのクロロフィルキレート※部分に着目し緑色保持技術の開発をスタートしました。

※キレート:キレート ( chelate) とは物質が複数の配位座を持つ配位子に金属イオンが結合していること。キウイの場合クロロフィルにマグネシウムが結合している事が知られている。

その後、八旗農園、和歌山県工業技術センター和歌山工業高等専門学校が約2年の産学官連携を行い、公益財団法人わかやま産業振興財団の補助金(わかやま中小企業元気ファンド)も利用してキウイの褐変のメカニズムを解析し、加熱殺菌後も緑色を保持できる加工技術を開発しました。

従来のキウイピューレと緑色保持キウイピューレ

従来のキウイピューレと緑色保持キウイピューレ(出典:和歌山県庁 令和3年度第2回目和歌山県1社1元気技術登録)

本技術は、添加物を使用せず、無添加の緑色キウイピューレとして使用することができるため、これまでにない、色鮮やかな加工品の原料として利用することができます。

従来品(左)と開発品(右)

従来品(左)と開発品(右)

開発した加工品はドレッシングやスムージーの原料として販売されています。
本技術は県外からも高い評価を受け、令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞「創意工夫功労者賞」を受賞しました。
産学官連携に財団の補助金を活用すると県外でも注目される成果が得られます!

興味が湧いたら、財団のテクノ振興部まで

企業間連携、産学連携、産学官連携のことに少しでも興味をお持ちでしたら、まずはお気軽にご相談ください。

公益財団法人わかやま産業振興財団 テクノ振興部テクノ振興班
和歌山市本町二丁目1番地 フォルテワジマ6階 
TEL 073-432-5122

公式サイトのご案内はこちら

 

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