「緑色を保持したキウイ加工品の開発」を産学官で共同開発!
産学官連携の具体的な事例をご紹介します。
和歌山県は梅、みかん、柿、山椒などの生産量が全国1位ですが、キウイフルーツの生産量も全国3位なのです!キウイフルーツの果肉のエメラルドグリーンと甘酸っぱく特徴のある食感や優れた栄養価が魅力です。不溶性食物繊維、ビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、カリウム、アクチニジン等が含まれています。
ところでキウイの果肉は、加熱処理や殺菌工程を経ることで緑色から茶色に変色するため、緑色を保持したキウイ加工品を製造することが困難でした。
株式会社八旗農園(以下、八旗農園)技術顧問の中村浩一さんがキウイのクロロフィルキレート※部分に着目し緑色保持技術の開発をスタートしました。
※キレート:キレート ( chelate) とは物質が複数の配位座を持つ配位子に金属イオンが結合していること。キウイの場合クロロフィルにマグネシウムが結合している事が知られている。
その後、八旗農園、和歌山県工業技術センター、和歌山工業高等専門学校が約2年の産学官連携を行い、公益財団法人わかやま産業振興財団の補助金(わかやま中小企業元気ファンド)も利用してキウイの褐変のメカニズムを解析し、加熱殺菌後も緑色を保持できる加工技術を開発しました。
本技術は、添加物を使用せず、無添加の緑色キウイピューレとして使用することができるため、これまでにない、色鮮やかな加工品の原料として利用することができます。
開発した加工品はドレッシングやスムージーの原料として販売されています。
本技術は県外からも高い評価を受け、令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞「創意工夫功労者賞」を受賞しました。
産学官連携に財団の補助金を活用すると県外でも注目される成果が得られます!
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(公財)わかやま産業振興財団テクノ振興部の科学技術コーディネーターの三井と、新事業支援コーディネーターの細川です。「大学や公設試のシーズ」と「企業のニーズ」、企業間の連携(マッチング)のお手伝いをしています。その他のことでもお気軽にご相談ください。