歴史ある県内唯一の国立大学法人
和歌山大学は和歌山県内にある唯一の国立大学法人です。
歴史は古く、和歌山師範学校、和歌山青年師範学校、和歌山高等商業学校をルーツとする和歌山経済専門学校をもとに、1949年(昭和24年)に設置されました。
当時は学芸学部(現在の教育学部)と経済学部の2学部で、教育学部は和歌山市吹上(和歌山城のすぐそばでいまは付属小学校の場所)、経済学部は和歌山市関戸(現在の西高松)にありました。
その後、付属小学校や附属中学校を設置したり、学部内の学科の設置・廃止をしながら、1985年(昭和60年)に教育学部が、1987年(昭和62年)には経済学部が現在の栄谷キャンパスに移転しています。
地域産業の振興を目指して
1995年(平成7年)にはシステム工学部が設置されました。
初代システム工学部長の和歌山県内に新しい産業を育成して和歌山県の発展に寄与しようという考えのもと、情報通信システム学科、光メカトロニクス学科、精密物質学科、環境システム学科、デザイン情報学科というそれぞれ複数の学問領域を融合させたこれまでにない5つの学科を設置しました。
その後何度かの改組を経て、現在はシステム工学部システム工学科の1学科となり、そこには応用理工学領域、環境デザイン学領域、情報学領域の3つの領域があります。領域の中にはさらに専門分野を細分化した複数のメジャーがあります。
- システム工学部(https://www.wakayama-u.ac.jp/sys/)
国立大学法人として初めて設置された観光学部
2008年(平成20年)には、経済の活性化と地域振興のカギとなる観光産業の発展を目指し観光学部が設置されました。
いまは観光学を専門とする学科を設置している大学は多くなってきていますが、当時はとても珍しく、それも国立大学法人が観光学の学部を設置したということで大きな話題となりました。
国内だけでなく海外にも目を向けていて、情報発信やシンポジウム開催、国際的な研究にも積極的に取り組んでいます。
現代社会の課題解決のために
2022年(令和4年)にはデータを利活用して社会の課題解決や地域活性化に貢献する人材を育成する社会インフォマティクス学環※が設置されました。経済、産業などの社会に対して変革をもたらす、情報技術により分析及び把握を実践する人材の育成を目的とした文理融合型の教育課程です。経済学部、システム工学部、観光学部にデータ・インテリジェンス教育研究部門の協力体制のもと教育の充実を図っています。
- 社会インフォマティクス学環(https://www.wakayama-u.ac.jp/socinfo/)
※和歌山大学では、学部と学環という教育組織が設置されています。学環は学部の枠を超えた連携課程で、学部相当の教育組織です。
総合大学として
和歌山大学は、現在4学部1学環を有する、幅広い人材の教育を目指す総合大学です。
学部生約3,660名、大学院生約530名、教員約220名、学生数を学部ごとにみると教育学部が約750名、経済学部が約1,280名、システム工学部が約1,560名、観光学部が約540名、社会インフォマティクス学環が約60名で決して大きな大学ではありません。
でも、人材育成や地域貢献などまだまだやれることがたくさんある大学だと思っています。
今回は和歌山大学を構成する4学部1学環をご紹介しました。山の上にある栄谷キャンパスには、一般の方も利用可能で約70万冊の蔵書を有する図書館、情報教育や本学のコンピュータ利用環境の整備を支援する学術情報センター、学生や教職員の健康とメンタルをサポートするキャンパスライフ・健康支援センター、そして私たちが所属する研究者の研究をサポートし地域産業の発展への貢献に取り組む産学連携イノベーションセンターなどがあります。
次回はこの産学連携イノベーションセンターの取り組みで生まれた成果をご紹介したいと思います。
- 和歌山大学公式サイトトップ(https://www.wakayama-u.ac.jp/)
和歌山県内唯一の国立大学法人和歌山大学の中に設置された、主に学内研究者の研究情報の発信と外部資金獲得を業務とする組織です。最新のお知らせなどは産学連携イノベーションセンターのWebページをご覧ください。https://www.wakayama-u.ac.jp/cijr/