CASE STUDY 事例紹介

【DXへの歩み】倉庫管理システムによる熟練作業の民主化

株式会社三好漆器

三好漆器(倉庫管理)

❝DXへの歩み”の具体例をご紹介

DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、デジタルによる変革のこと。データやデジタル技術を用いることで、業務を改善するどころかビジネスモデル自体を変革させ、会社の競争力の強化を目指すものです。

和歌山県内でも、小売業、製造業、飲食業、サービス業…あらゆる業種、あらゆる規模の企業で、DXが行われています。ご紹介する事例は、自宅オフィスでがんばる個人事業主さんにも、数人でお店を切り盛りしている店長さんにも、工場をいくつもお持ちの社長さんにも幅広く役立つ内容になっていますので、ぜひ自社DXのヒントを見つけてください!

アップデートイメージ

「知る」のアップデート

システム導入の好事例からDXの効果を知る

おススメイメージ

こんな人にオススメ!

受注から発送までDXによる一元化を図り、業務を効率化させたい方


株式会社三好漆器

和歌山県海南市にある株式会社三好漆器は、1911年に創業し、時代に合わせ業態を変えながら、日本三大漆器の一つ”紀州漆器”の商いに携わってきました。

「漆器っていいね!感動を届ける。」という企業理念のもと、「自社公式サイト」に加え、「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」「Amazon」など約10店舗で販売し、今ではeコマースで漆器を販売するリーディングカンパニーとなっています。

三好漆器

抱えていた課題

創業以来、漆器の製造卸しを行っていましたが、1990年代に製造をアウトソースし、販売(卸し)に特化しました。しかし、多くの在庫を抱えての営業は経営効率が悪く、2006年から徐々に小売り業に転換し、楽天、yahooなど多くのサイトに出店を始めました。

BtoCに転換して売り上げは増えましたが、取り扱い品種が4000種類、常時在庫も2000種類と大幅に増加しました。小口注文なので、ピッキング、梱包が煩雑かつ膨大な量になり、誤出荷などのトラブルが頻繁に発生し、その対応に追われてしまいました。また、多くのサイトから受注が個別に入るため、各サイトごとの対応に労力を割かざるを得ないという課題を抱えていました。

課題解決のために

そこで、WMS (倉庫管理システム)の「THOMAS」 (株式会社関通)を導入しました。その結果、商品のロケーション管理が可能となり、ピッキングも受注伝票をバーコードリーダーで読み込むことにより、携帯端末 の指示通り効率よく間違いなくできるようになりました。

また、ネット一元管理システムの「助ネコ」 (株式会社アクアリーフ)を導入することで、受注管理の効率も改善されました。

三好漆器(倉庫写真1)

システム導入の成果と今後の展望

システム導入前は、在庫の場所を覚える必要があり、ピッキング作業は熟練を要する属人的作業 となっていました。しかし、システムを導入したことで、新人でも30分で熟練者と同様に間違いなく作業ができるようになりました。

漆器製造の地場での商売は、流通の面で有利で、デザイン品や名入れなどのオーダー注文にも地域連携して迅速に応えることができます。さらには、メーカーの抱える在庫も発掘してセールを展開する ことで地域貢献もしていきたいとお考えです。当面の目標は、「楽天のショップオブザイヤーを受賞!」とのこと。今後、益々のご活躍を期待します!!

 

※本内容は、令和5年9月発行の『DXへの歩み システム導入事例集』に掲載した内容を加筆修正したものです。https://yarukiouendan.or.jp/waka-cheer/magazine/magazine-1039/

まとめ

システムを導入することで、多種類の漆器製品を受注から発送まで一元化できるようになりました。属人化していた商品の取り扱いを標準化し、誤出荷もなくなり、ピッキング作業の効率化でコスト削減もできるなど、複合的によい結果をもたらした好事例といえるでしょう。

ITツールは多種多様です。自社にとって最適なツールを導入し使いこなすことで、事業変革を起こすことができます。

公益財団法人わかやま産業振興財団は、DX推進を目指す県内中小企業のみなさんを応援しています。
DX推進について聞きたいこと、ご相談は、ぜひ財団のDX推進員まで!

お待ちしています!

 

会社名

株式会社三好漆器

事業内容 漆器卸・小売
従業員数 31名
所在地 〒642-0012
和歌山県海南市岡田291-1

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