手作業で行っていた容器の「蓋閉め作業」
同社は、醤油のほかにも、多種多様な金山寺味噌を製造しています。

和歌山県湯浅で750年続く伝統製法でつくられた金山寺味噌。米、大麦、大豆、なす、瓜、生姜、しそが入った自然発酵食品です。

「おかず味噌」と呼ばれる金山寺味噌はご飯とベストマッチ!
しかし、金山寺味噌をプラスチック容器に詰めたのちプラスチックの蓋を閉める作業は、単純作業ではあるものの手作業でしっかりと容器本体と蓋を篏合(かんごう:2つのパーツを互いにはめ合わせること)する必要があり、手間がかかっていました。

蓋がしっかりはまっていない状態
「ひと手間」の自動化で作業ミス削減、生産性の向上に成功
そこで、新古氏は公益財団法人わかやま産業振興財団のDX推進員に相談し、和歌山市十三番丁に本社がある有限会社丸之内マシーナリ(以下丸之内マシーナリ)の紹介を受けました。丸之内マシーナリは、生産用機械器具の企画・製造・設計を多く手掛けている企業です。
同社は、丸之内マシーナリが設計・製作した専用機を導入し、蓋閉め作業の自動化に成功しました。
専用機は樹脂製容器を搬送する下方ベルトコンベアと上方から接触する上方ベルトコンベアで構成され、容器に対して上下の搬送ベルトで挟みながら搬送し押圧することで、容器本体と蓋を篏合させます。

丸之内マシーナリ設計・製作の専用機。約8秒で容器と蓋の密閉作業が完了
高品質を保ちながら、蓋閉めの前工程の自動化へ
同社は、プラスチック容器の蓋閉め作業の自動化により、蓋閉め時のミスを解消し、生産性の向上に成功しました。
次に自動化を目指すのは、蓋閉めの前工程である金山寺味噌をプラスチック容器に詰める作業です。一般的な充填機では金山寺味噌の中の具をつぶす恐れがあるため、具のつぶれを防ぎつつ、いかにロボット化するかが今後の課題です。
まとめ
課題であったプラスチック容器の蓋閉めの自動化ができ、作業員1名分の生産性を向上した参考になる事例です。わかやま産業振興財団では、製造工程の自動化・省力化を検討している県内中小企業のみなさまを応援しています。
ご相談は、ぜひ財団のDX推進員まで!お待ちしています!
※本内容は、令和6年2月発行の「和歌山県 製造業 DXへの歩み AI・Iot・ロボットFA導入事例集Ⅲ」に掲載した内容を加筆修正したものです。
会社名 | 湯浅醤油有限会社 |
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所在地 | 〒643-0004 和歌山県有田郡湯浅町湯浅1464 |
設立 | 2002年 |
TEL | 0737-63-2267 |
URL | https://www.yuasasyouyu.co.jp/ |
業種 | 醤油製造販売等 |
当プロジェクト(地プロ)は、和歌山県が厚生労働省の採択を受けて、県内企業がDX推進により企業の経営力を強化することで、安定的かつ良質な雇用の創出を図る取組です。