171年の信頼と革新
玉林園は、171年の歴史で培ってきた、品質への揺るぎないこだわりを基本とし、時代の変化や顧客ニーズを的確に捉え、新しい商品やサービスを生み出す開発力に強みがあります。また、開発した新商品を市場に定着させ、新たな事業の柱として確立する変革力も有しています。これにより、既存事業の安定性を保ちつつ、常に成長し続けることができる点が最大の強みです。
お茶専業への歩み、抹茶入りソフトクリーム「グリーンソフト」の誕生
創業当初は、お茶とたばこの製造販売を手掛けていました。しかし、時代の変化と共に、事業の選択と集中を進め、たばこ事業から撤退し、お茶の販売に特化した専業体制へと移行しました。この最初の変革は、現代まで続く玉林園の事業基盤を築く上で重要な一歩でした。
その後(昭和30年代)、お茶は夏場の需要が落ち込むという季節的な課題に直面します。この弱点を克服するために、玉林園は新たな事業開発に着手しました。そこで生まれたのが、当時としては画期的な抹茶入りソフトクリーム「グリーンソフト」です。この開発は、単なる新商品の発売にとどまらず、自社の強みである「お茶」という素材を活かした、新たなビジネスモデルの創出でした。
これにより、夏季の売上低下という課題を解決しただけでなく、新たな顧客層を獲得することにも成功しました。
.jpg)
グリーンソフト
「グリーンソフト」の成功を皮切りに、玉林園はさらに事業を多角化していきます。抹茶やほうじ茶といった自社製品を活かしたグリーンソフト専門店や抹茶の主購買層である婦人層を対象にあっさり味の中華そば(てんかけラーメン)等の飲食店事業を展開。さらに、全国各地の外食産業へ菓子材料などを卸すBtoB事業も立ち上げ、事業の柱を増やしていきました。これにより、単一事業に依存することなく、複数の収益源を持つ強固な経営体制を確立しました。

和歌山市民に愛され続ける「グリーンコーナー」(直営6店舗)。玉林園特製の抹茶を使った名物グリーンソフトと、気軽に味わえる麺類が魅力のご当地ファストフード店です。
「紙」媒体依存のバックオフィスを変える
現在の主な課題は、量産品と多品種少量生産品が混在する工場での生産性向上と、紙媒体に依存したバックオフィス業務の効率化です。特に、受発注業務や請求書発行などにFAXや郵便、手入力が多く、時間と手間がかかる非効率な業務プロセスが課題となっています。これにより、社員の負担が増加し、生産性の向上を阻害しています。
2025年和歌山市に新工場を建設、量産化体制を強化
これらの課題を解決するため、2025年に新工場(和歌山市出島を予定)を建設し、量産品を移管することで生産性の向上を図ります。また、バックオフィス業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、ペーパーレス化を進めています。具体的には、店舗からの発注をFAXからメールに切り替え、RPA(Robotic Process Automation)を活用して受注データや各種帳票を自動作成することで、業務の効率化と社員の負担軽減を実現しています。
進化する企業体質へ
「今後は、工場の生産効率向上とバックオフィス業務の効率化をさらに進めるとともに、当社の強みである新商品・新サービス開発体制を強化し、顧客とのパートナーシップをより強固にしていきます。また、基幹システムの更改により、さらなるペーパーレス化と業務効率化を目指し、持続的な成長を可能にする企業体質を確立していきます(玉林園常務取締役 林 孝洋氏)」
まとめ
玉林園の変革の歴史は、創業当初の事業転換から始まり、季節的な課題を解決するための新商品開発、それに続く多角的な事業展開、そして現代におけるDX推進へと続いています。この常に変化を恐れず、新たな価値を創造し続ける姿勢が、170年以上の長きにわたり企業を成長させてきた要因と言えます。これらの変革は、単に技術や商品を導入するだけでなく、時代の変化を捉え、自社の強みを最大限に活かし、顧客や市場のニーズに応え続けてきた結果です。
※本内容は、令和6年2月発行の「」に掲載した内容を加筆修正したものです。
| 会社名 | 株式会社玉林園 |
|---|---|
| 所在地 | 〒640-8306 和歌山県和歌山市出島48-1 |
| 創業 | 1854年 ※屋号「玉林園」 |
| TEL | 073-473-0456 |
| URL | http://gyokurin-en.co.jp/ |
| 業種 | 緑茶卸・販売、全国卸事業、飲食店事業、食品製造事業 |
当プロジェクト(地プロ)は、和歌山県が厚生労働省の採択を受けて、県内企業がDX推進により企業の経営力を強化することで、安定的かつ良質な雇用の創出を図る取組です。