新たな知識を身につけて
7月の開講からほぼ毎週開催していた「わかやま生産性向上スクール」の座学が9月19日に終了しました。
座学では、「5Sの重要性」から始まり、「IE(インダストリアルエンジニアリング)の考え方」、「DXによる経営変革」などについて、受講生の方々は、たまに出てくる知らない単語に頭を悩ませながら、新たな知識を座学と演習を通して約3か月間学んできました。
ここでは「DXの成功は現場サイエンティストが肝!」ということで、実際にパナソニックコネクト株式会社で、パナソニックグループ全体のDXを進めるべく社内外で活躍されている、一力 知一(いちりき ともかず)講師の講義の内容を一部紹介させていただきます。
DXの成功は、DXをやる前に決まる!IT知識の差ではない
「DXを進めていくためにはIT人材がいなければ、、、」きっとこう思われている経営者、管理職の方は多いのではないでしょうか。
もちろん、IT知識があるに越したことはありません、しかしその前にもっと大事なことがあります。それは「共通言語がそろっているか」ということです。同じ言葉を口にしていても、その人それぞれでイメージしていることがちょっとずつ違っていて、よかれと思って進めていたのに気が付けば想定していたものとはかけ離れた方向に進んでいる。それに途中で気づき、また前提条件から考えてしまう。
「DX推進だと言っていたので、とりあえずデータの可視化はできたけれど、これはなんのためのデータなのだろう、、、」ということが全国各地で起こっています。
共通言語をそろえ、DXを進めていくために重要なことは、①DXを行う目的が明確になっているか、②現在の状況が明確になっているか、③目指す姿を達成すると何が良いのか、④目指す姿に対して何が課題で深堀できているか、⑤課題をDXでどう解決するか(できるのか)、⑥それらが共通言語となっているか。
受講生の方々に演習を交えながら、自社でカイゼン活動やDXを進めていくために、課題設定が重要であり、IEなどこれまで得た知識を活用しながら現状分析(データ活用)して進めていくことの重要性を具体的に分かりやすく教えていただきました。
いよいよ現場実習が始まります
このスクールの後半戦は、「現場実習」ということで、協力企業様の現場をお借りして、経営者、現場の方々の声に耳を傾け、現場を観察し、得た知識を活用し、指導教員とともにカイゼン提案を行えるように約3か月間チームで実習を進めていきます。
ハードな実習となりますが、12月の報告会では、きっとみなさん良い報告をしてくれると講師の方々、事務局一同楽しみにしています。
わかやま生産性向上スクールとは?
5S、QC、IEなどの現場改善の基本手法に加え、現場でのIoTの活用やIT化・システム化の導入に必要なデータに基づく論理的思考を習得するための「座学」、座学で得た知識を実践習得するための「現場実習」を通して、企業全体の生産性向上を牽引するリーダーを育成するもの。
企業のDX実現を目指す「わかやま地域活性化雇用創造プロジェクト」の主要事業の一つ。
旧「和歌山ものづくり経営改善スクール」。
当プロジェクト(地プロ)は、和歌山県が厚生労働省の採択を受けて、県内企業がDX推進により企業の経営力を強化することで、安定的かつ良質な雇用の創出を図る取組です。DX or DIE!