CASE STUDY 事例紹介

自社開発システムの特許取得、業界標準へ「ICタグによるロールのデータ管理」

尾高ゴム工業株式会社

代表取締役 氏野 孝二氏-scaled

※この記事は、公益財団法人わかやま産業振興財団公式サイトで2022年11月1日に公開された内容を、WAKA-CHEER(ワカチア)用に修正し、転載したものです。この記事の情報は、公式サイトでの公開当時の情報に基づいています。

尾高ゴム工業株式会社

1924年創業のゴムロールのパイオニア。主に製鉄、繊維、染色、フィルム等の業界向けのゴムロールや、フォークリフト、ロケット搬送台車用のウレタン車輪などの製造を通じ、世界のものづくり、輸送・物流に貢献している。

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自社開発のシステムを特許化し、業界標準を目指す

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ICタグによりロールをデータ管理する

同社が製造し、製鉄所のラインで稼働する数百本のゴムロールは、鉄芯の端面に数字やアルファベットを打刻して目視で識別し、データを手入力して管理していたが、劣化や汚れで識別が困難になることが課題であった。

公益財団法人わかやま産業振興財団のDX推進員の知恵を借りながら解決策として考えたのが、鉄芯にICタグを埋め込み、スマートフォンで識別、管理する方法。

しかし、埋め込んだICタグを高温、高圧、蒸気など過酷な環境から保護するのが難しく、試行錯誤を繰り返し、ようやく通信も可能な樹脂での保護と管理システムを開発した。

工場内の様子を映した写真。大きなゴムロールを取り扱うため、天井の梁から吊り下げる用のクレーンが設置されている。

業界標準を目指して

自社での管理のために開発したシステムであったが、半永久的に管理できるこの手法なら、定期的にゴム張替えのために製鉄所と自社を往復するロールの所在、寿命、履歴などをデータ管理でき、顧客である製鉄所にとっても生産性向上、負担軽減に役立つと考え、特許を出願し、業界標準としての普及を目指している。

同社の製品であるゴムロールを写した写真。3本のゴムロールが写っており、円柱状の鉄芯のまわりにゴムがついている構造。外見からはわからないが、鉄芯にICチップが埋め込まれている。

ロールをデータ管理

財団の事業を活用してみて

氏野社長は「財団の担当者には、金属対応のICタグの業者、埋め込みに必要な容器製造業者、埋め込み用の穴開け業者などの情報を提供していただき、非常に助かりました。当社の限られたサプライヤー、情報量だけでは、上手く開発が進まなかったと思います。また、特許出願に際しても、様々なサポートをしていただきました。テーマ(目標)が具体的であった事で、財団の方々とその共有が出来、当社に不足していた部分をタイムリーにサポートしていただいた事で、比較的短期間で効率良く開発が出来たと思います。」と語った。

会社名 尾高ゴム工業株式会社
所在地 〒640-0421
和歌山県紀の川市貴志川町神戸77-3
創業 1924年
設立 1944年
TEL 0736-64-0002
URL https://www.otaka-rubber.co.jp/
業種 工業用ゴムロール・ゴム製品製造販売
従業員数 77名

記事でご紹介した「DXに関する支援(わかやま地域活性化雇用創造プロジェクト)」の詳細はこちら

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