売上を「分解」してみよう!
「因数分解」と聞くと、数学の授業を思い出して身構えてしまうかもしれません。でも、ビジネスにおける因数分解は、未来を描くためのクリエイティブな作業です。
売上高をシンプルに分けると、次のようになります。
客数 × 客単価 = 売上高
1,000万円を達成するパターンは、一つではありません。
- 客数1万人 × 客単価1,000円
- 客数5千人 × 客単価2,000円
- 客数2万人 × 客単価 500円
どの組み合わせを選ぶかに、あなたの「強み」と「戦略」が表れます。「どこを分解し、どこを掛け算して目標に届かせるか」、それが経営の面白さです。
あなたなら、どこを磨く?
「客単価」を上げるなら、材料へのこだわりや独自の製法、あるいはセット販売の工夫など、お客様に「高くてもあなたから買いたい」と言っていただける「価値を伝える力」が必要です。
「客数」を上げるなら、ターゲットは誰か、その人たちはどこにいるのか、SNSやイベント、店構えをどう工夫するかといった「届ける力」が重要になります。
計算上は数字の操作ですが、実際にはそこに「あなたのこだわり・経験・個性」が掛け合わされます。マーケティングの施策(SNS、接客、ポイントカード、業務効率化など)はすべて、この「客数」や「単価」の数字を動かすためにあるのです。
売り上げアップの具体策が見える「魔法のツリー」
さらに深掘りしてみましょう。売上を分解していくと、次に何をすべきか(ToDo)が自然と見えてきます。
■売上高
├─■客数(来店数)
│ ├─ 新規のお客様(広告、SNS、看板など)
│ └─ 常連のお客様(既存顧客数×来店頻度:メルマガ、クーポンなど)
│
└─■客単価(1人あたり購入額)
├─ 買上点数(購入点数:ついで買いの提案、セット販売など)
└─ 一品単価(商品単価:高付加価値商品の開発、価格改定など)
注目してほしいのは「常連のお客様」です。
新規集客にはコストがかかりますが、一度来てくださった方が「また来たい」と思う工夫(リピート)を積み重ねることで、客数は安定して伸びていきます。
このツリーの中の「買上点数」を、例えば「メインのパン」と「ついで買い(レジ横のクッキーなど)」に分けて考えてみてください。すると、「レジ横に何を置こうかな?」という具体的なアイデアが自然と湧いてきませんか?
数字を細かく分けるのは、計算するためではなく「今日からできる工夫」を見つけるためなのです。
数字は「地図」であり「自信」につながる
目標を決め、やるべきことを決め、実行して、結果を数字で振り返る。
このサイクル(PDCA)を回していくうちに、数字はただの「記録」ではなく、あなたを支える「自信」に変わっていきます。
【前回】vol.27 起業する人が「知らない」では済まされない方程式があるPart.1 | WAKA-CHEER(ワカチア)で紹介した「損益分岐点売上高」も、事業を自信をもって継続していくためにあるようなものです。
利益とは、単に「手元に残ったご褒美」ではなく、「過去(投資)の回収」「将来への投資」そして「借りたお金の返済」という、事業を継続するための命綱なのです。
あなたの「好き」を、持続可能な「ビジネス」へ。
数字という強力なサポーターを、ぜひ味方につけてください。
中小企業診断士。大卒後、東京・ロンドンで編集者として活動後、メガバンクにて為替取引に従事。帰国後に㈱きのくに未来ビジネスセンターを承継し、県内初の創業スクール(中企庁事業)を受託する等、創業や中小企業経営の支援継続中。