経済産業省が推進する「令和7年度 Go-Tech事業(成長型中小企業等研究開発支援事業)」において、阪和電子工業株式会社の研究開発テーマ「チップレットデバイス組み立て工程で発生する小容量放電の放電発生位置の特定技術の開発」が採択されました。
1.「チップレットデバイス」の品質向上のための静電気放電発生特定技術確立への挑戦
採択されたテーマは、「チップレットデバイス組み立て工程で発生する小容量放電の放電発生位置の特定技術の開発」。
次世代のAIやクラウドサーバーを支える「チップレットデバイス」は、複数の小さな半導体チップを組み合わせて一つの大規模チップとして機能させる技術です。高性能化を実現できる一方で、高密度に設計されているため、わずかな静電気でも大きなダメージを受けてしまうという弱点があります。
半導体製造の現場では、目に見えない静電気放電によるデバイスの性能低下や品質不良が課題となっています。
本研究では、静電気放電が発生した際に生じるごく微弱な電磁波をリアルタイムに検知し、「いつ」「どこで」発生したのかを特定する技術の開発に挑みます。この技術によって、ダメージを受けたデバイスを製造工程の中で排除でき、チップレットデバイスの品質と信頼性を高めることが可能となります。
静電気という“見えない脅威”を可視化し、制御する――その挑戦は、次世代半導体産業の競争力強化につながる大きな一歩となります。

↑d-Scopeデモ機(製品写真)

↑d-Scope監視ソフト画面
2.「Go-Tech事業(成長型中小企業等研究開発支援事業)」とは?
経済産業省が実施する「Go-Tech事業(成長型中小企業等研究開発支援事業)」とは、中小企業の持つ独自技術をもとにした研究開発を支援し、地域産業の競争力や新しい技術分野の開拓を後押しする補助事業です。
全国的に多くの企業が挑戦する中、申請には大学や公設試験研究機関等の他の研究等実施機関との連携が求められ、厳正な審査を通過して採択に至ります。
今回の採択は、同社の技術が「地域産業の発展に資する研究開発」として高く評価された証であり、和歌山県の産業力強化や経済活性化への波及効果も大いに期待されています!
当財団は事業管理機関として、今後も継続的に研究開発の推進を支えてまいります。
「『Go-Tech事業』について、もっと知りたい!」「『Go-Tech事業』の事業管理機関を探している!」という県内企業の方は、テクノ振興部までお気軽にお問合せください。
(※当財団が事業管理機関となるGo-tech事業の支援案内はこちら)
【問合せ先】公益財団法人わかやま産業振興財団 テクノ振興部 TEL:073-432-5122
↑「Go-Tech事業」の申請要件である共同体構成図(参考)
3.事業担当者によるコメント
阪和電子工業株式会社は、平成22年度から平成24年度にかけて、「Go-Tech事業」の前身である「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」にも取り組まれており、今回、再び本事業に採択されたことを大変喜ばしく思います。
今回は海外の機関もアドバイザーとして参画し、グローバルな視点を取り入れながら事業を推進されることから、国内外における競争力強化にもつながると期待しています。
同社の持つ技術力が、次世代半導体分野の発展に大きく貢献されることにより、今後のさらなる飛躍を心より祈念しています。
同社の概要については、以下のとおりです。
| 社名 | 阪和電子工業株式会社 |
| 英文社名 | HANWA ELECTRONIC IND. CO., LTD. |
| 代表者名 | 代表取締役社長 澤田 真典 |
| 本社所在地 | 〒649-6272 和歌山県和歌山市大垣内689-3 |
| 詳細 | 同社のHP(下記URL)よりご確認ください。 HPリンク:阪和電子工業株式会社 |
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