自分のことを正確に認識するのは難しい

《強み》とは
・高い専門性 ・オリジナリティ ・起業に至るストーリー ・傾聴力 ・コミュニケーション能力 ・計画的に物事をすすめる力 ・学習意欲 ・スキル ・経験 ・趣味 ・人脈 ・視座 等 (図はNapkin AIで生成)
「鏡」がないと自分の顔さえ見えなかったり、自分が普段聞いている自分の声が「録音」された自分の声とは違って聞こえたりしませんか? 案外、自分のことを正確に認識するのは難しいということなのかもしれませんね。実は、自分を認識するのが難しいのは、容姿だけではありません。
先日お会いした、あるマーケティングの専門家も、「他の人の課題はよく見えて、アドバイスもできるのだけれど、自分のこととなるとからっきしダメです(汗)」と発言されていました。
その道の「プロ」で、お客様の「強み」を見抜いたり、アドバイスしたりできる人でさえ、そのような状況ですから、たぶんほとんどの人にとって難しいことなのだと思われます。
自分の強みが把握できないと厄介なのは、自分・自社は何をすればいいのか、何をどう改善すればいいのか、成長の方向はどちらなのか、がわからないからです。
また、自分は強みだと思っても、周りの人たちとの認識が違っていれば、やはり方向を間違えてしまいます。
というわけで、難しいことだということはわかったので、「…だったらどうする?」を今からご一緒に考えていきましょう。
壁打ち
まず、できることに、「壁打ち」があります。(「壁打ち」については、以前のコラムでもテーマにしていますので、ご興味を持たれた方はご一読ください。)
周りの人にたくさん聞いてもらい、たくさんフィードバックをもらう、つまり、「鏡」や「レコーダー」になってもらって、ご自身の「強み」を確認することにつなげます。
問題意識を強く持ち続ける
次に、日ごろから「問題意識を強く持ち続ける」ことも有効です(難しいですが、汗)。普段から意識することで、「強み」が現れたときに、「これだ!」と捉えることができるからです。
その際に、あらかじめ「自分の棚卸」作業をしておくと、より効果があります。
棚卸をするのは、「好きなこと・得意なこと」「数値で表せる自分の成果」「表彰歴」「資格」「これまでに克服した困難とその経験」「所属団体」「人脈」等です。
特に、下記分野に関連する「強み」があれば、起業の際に大いに役立てることができます。
強みに気づく
最後に、「ライバル(競合)との比較」も、「強み」に気づく方法の1つです。「相手にあって、自分にないもの」「自分にあって、相手にないもの」を深堀りすることは、「大したことない」と思っていたことが、大きな「強み」だったと気づくことにつながります。
そうして「強み」を見つけたら、次はそれを「どうビジネスにつなげるか」なのですが、
- 専門性の高い知識やスキルを活かして、顧客の課題を解決するビジネス
- 個性や感性を活かして、顧客に新しい価値を提供するビジネス
- コミュニケーション能力や営業力を活かして、顧客との信頼関係を構築するビジネス
- 行動力や実行力を活かして、スピーディーに成果を出すビジネス
- 学習意欲や向上心を活かして、常に新しいことにチャレンジするビジネス
等の方向であれこれ考察してみましょう。
「強み」を認識することは、戦略的にもとても大切です。「偏(かたよ)らない」「こだわらない」「囚われない」心で、素直に「聴く」「気づく」こと、そして、常に「アップデート」「ブラッシュアップ」を心がけましょう。
まとめ
和歌山が生んだ経営の神様・松下幸之助氏(パナソニック創業者)も終生 “素直な心” を求め続けました。そして、「君、どない思う?」と周りに問い続けたそうですよ。さて、あなたも「壁打ち」が必要ですか? 私たちにお気軽にお申し付けください。
中小企業診断士。大卒後、東京・ロンドンで編集者として活動後、メガバンクにて為替取引に従事。帰国後に㈱きのくに未来ビジネスセンターを承継し、県内初の創業スクール(中企庁事業)を受託する等、創業や中小企業経営の支援継続中。