「しっくりこない」は、あなたが「ブレている」サイン?

起業家として日々奮闘している中で、「なんだか仕事に手応えがない」「売上は上がっているけど、本当にやりたいことではない」と感じたことがあるのではないでしょうか? この「しっくりこない」違和感は、実はあなたが“ブレている”サインかもしれません。
たとえば、あなたは「お客様との長期的な関係」に価値を置いているにもかかわらず、短期的な売上を追うために「とにかく安さ」を訴求する営業戦略をとってしまった場合、心の中で矛盾が生じます。
お客様は: 安さで寄ってきても、そこにあなたの真の価値(長期的なサポート)を求めていない。
従業員は: 経営者の言動がブレているため、何を目指して働くべきかわからなくなる。
この「ズレ」が、価格競争への参入、従業員のモチベーション低下、そして何よりお客様があなたの会社を選ぶ理由が伝わらない、という結果を招くリスクがあるのです。
お客様がアナタを選ぶ理由を提供できていますか?
「ウチの価値ですか? もちろん、高品質なサービスです」と答える経営者は多いでしょう。しかし、これではお客様に「選ぶ理由」を与えるには不十分です。それは「モノ」や「サービス」の説明でしかありません。提供しているものが同じでも、提供している「価値」は違います。
どちらもWebサイト制作ですが、響くお客様は全く異なります。
【WORK】核となる価値(コアバリュー)を見極める
以下の3つの問いに答えることで、あなたの価値を見極めることができます。ぜひ、実際に書きだしてみてください。
Q1. お客様が、あなたのサービスを受けた後、「一番変わった」と教えてくれたことは何ですか?
例:「不安が自信に変わったこと」、「社内が活性化したこと」など、売上以外のこと
Q2. お客様が「他社ではなく、あなたを選んだ」とわかった決定的な一言は何ですか?
例:「私の想いを一番理解してくれた」「あなたとなら長く付き合えると思った」など、機能や価格以外の言葉
Q3. あなたがお金をもらえなくても、誰かのために「やってあげたい」と心から思うことは何ですか?
例:「友人の悩みを聞いて整理してあげること」「新しい情報をリサーチして人に教えること」など
この答えの裏側にあるものが、あなたの「核となる価値(コアバリュー)」です。
コアバリューの伝え方
自分の価値が明確になったら、それを「誰に」「どう」伝えるかです。
以前、「vol.10 顧客を絞れ」のコラムで、理想の顧客像であるペルソナを設定することの重要性をお伝えしました。あなたの提供する「価値(バリュー)」は、お客様の「価値(ニーズ)」と呼応して初めて意味を成します。
たとえば、あなたの価値が「安心感と事業の安定」であれば、
ペルソナ: IT知識に不安があり、専門家と末永く付き合いたいと考える中小企業経営者。
メッセージ: 「作って終わり」ではありません。私たちはあなたのIT担当者として、5年、10年と「事業の成長を止めない『伴走型のサポート』を提供します」
と伝えることで、不安を抱えるペルソナの心に深く響き、単なる「制作業者」ではなく「不可欠なパートナー」として愛顧が生まれるのです。従業員も、この明確な価値を理解することで、日々の業務で迷うことなくお客様への最適な行動がとれるようになります。
自分の「価値」を見極めよう
自分の「価値」を曖昧にすることは、「選ばれる理由」を曖昧にすることに他なりません。
この機会に、ご自身の核となる価値観を見極め、それを明確な言葉に変えて、従業員とお客様に伝えていきましょう。それが、価格競争から抜け出し、強い愛顧関係を築くための、最初にして最も重要な一歩です。
ご自身の価値観の言語化、そして、それをビジネスモデルに落とし込むための具体的な方法についてお悩みの方は、お気軽にご相談くださいね!
中小企業診断士。大卒後、東京・ロンドンで編集者として活動後、メガバンクにて為替取引に従事。帰国後に㈱きのくに未来ビジネスセンターを承継し、県内初の創業スクール(中企庁事業)を受託する等、創業や中小企業経営の支援継続中。