ポイント1【資金繰り表は“未来の地図”】

売上は上がっているし、利益も出ているのに、なぜかお金が足りない……。そんな問題に直面する前に、「資金繰り」のポイントを掴んでおくことが重要です。
このポイントを掴むために「資金繰り表」の作成が有効です。資金繰り表とは、一言でいえば 「お金の出入りを未来に向けて予測する表」です。過去の帳簿(会計データ)ではなく、未来の現金の流れを見える化するもの。
例として、ある介護事業所の経営者の事例をご紹介します。
【事例】利用者は多いのに常に資金がギリギリだった介護事業所
創業3年目のデイサービスA事業所。利用者は順調に増え、帳簿上は毎月黒字。一見すると順調そのもののように見えますが、A事業所には常に大きな不安がありました。
「売上は伸びているのに、なぜか現金が残らない……」
その原因は、介護報酬の入金が2か月後になる仕組みにありました。
「黒字倒産」のリスクを知る
利用者が増えれば、当月の
- 人件費
- 食材費
- 送迎コスト
はすぐに支払わなければなりません。
しかし、その月の売上にあたる介護報酬は 2か月後にならないと入ってこない。
つまり、「売上が増える=当月の支払いは増えるのに、入金は後から来る」
という逆転現象が起きていたのです。
さらに、
- 毎月の家賃・水道光熱費
- 社会保険料
- 賞与や税金など、年に数回の大型の支払い
- 急な車両・設備(介護用ベッド・リフトなどさまざま)のメンテナンスなど
これらが重なる月は、帳簿では黒字なのに、手元の資金はギリギリという状況に。
まさに「黒字倒産」の典型リスクが目の前にありました。
そこでA事業所では、資金の流れを整理し、資金繰り表を作成しました。
すると、
- どの月に入金が多いのか
- どの月に支払いが集中するのか
- 資金が不足する“谷”がどこにあるのか
がひと目で分かるようになりました。
その結果、「いつもギリギリ」⇒「先を見通すことができるから安心」
という段階に進むことが出来ました。
資金繰り表は 資金ショートを起こさないためのレーダーの役割を果たしてくれます。お金の流れを見える化する「資金繰り表」をつくることは、いわば“未来の地図”をつくることなのです。
ポイント2【資金繰り表は“選ばれる経営者”への第一歩】
資金繰り表を持っていると、金融機関・支援機関からの信頼が一気に高まります。なぜなら、「この人は事業の未来を見ている」と伝わるからです。
続いて、ある創業者の事例をご紹介します。
【事例】金融機関に「資金繰り表」を持参して好印象に!

ある創業者のBさんは、融資の相談時に資金繰り表を持参しました。
未来の売上予測と支払い予定が整理されており、金融機関からは「ここまで準備されているなら、計画性がありますね」と評価され、スムーズに審査が進みました。
資金繰り表は 「見えている状態」をつくるツールです。第3者がみてもわかりやすい資料で、先も見通せます。見えているからこそ、選ばれる。そして経営者自身も、お金の流れが見えているからこそ、次の一手を考えられる。資金繰り表は、事業を支える“裏側の仕組み”なのです。
まとめ
資金繰り表は…
未来の現金の流れを見える化する「経営の地図」
経営者が事業を守るために持つべき「視点」
金融機関から“選ばれる経営者”になるための「信頼の土台」
事業を続けるために「備える」
あなたの事業が、長く選ばれ続けるために、まずは資金繰り表の作成から始めてみませんか?
セミナーでの取組紹介
今回のセミナーでは、日本政策金融公庫 和歌山支店さまにご協力いただき、金融機関から信頼される資料のつくり方を解説していただきました。
参加者の皆さまには、資金繰り表のテンプレート(各種書式の18番をご覧ください)が配布され、クイズ形式で実際に作成していただきました。
また後半では、和歌山県信用保証協会さまより、創業期の方が使いやすい保証協会の制度(2番をご覧ください)について解説いただきました。
ご相談に来られる方へ「よろず支援拠点の活用を考えている方はまずはお電話ください」
よろずでは、現在15名(令和7年12月現在)の相談員がさまざまな分野のサポートをしております。ご相談者さまの中には、複数の相談員をうまく活用して、いろんな分野の相談をしている方もいらっしゃいます。みなさまの事業の更なる発展に向けて全力でサポートさせて頂きますので、ぜひお気軽にご連絡ください。
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和歌山の地元金融機関で勤務し、お客様との接点が中心の営業店勤務を長年に渡り経験。その金融機関で携わってきた経験を生かして、事業者様のお役に立ちたいと思います。