COLUMN コラム

vol.15 経営者にも「免許証」があった方がいい?

私がまだ経営者になりたてのころ、「運転する人には運転免許証があるように、経営者にも経営免許証が必要だ」と主張する先輩経営者がおられました。

事業の経営は、自分の生活や自己実現に関わるだけでなく、従業員、仕入先、お客様、地域・行政等のさまざまなつながりに影響を与えます。だからこそ、事業のハンドルを握る責任も生まれるので、経営者として最低限の能力を保証する「免許」があった方がいい、という考え方が生まれるわけです。

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経営者に必要な能力って?

経営者の資質

では、経営者には、どんな能力が必要とされるのでしょうか? 
まず、国が策定する「特定創業支援事業」という仕組みをみてみましょう。
「創業者の経営、財務、人材育成、販路開拓等の知識習得を目的として継続的に行う創業支援の取組を「特定創業支援等事業」と位置づけ…」(経済産業省HPより抜粋)

ここでは「知識習得」とありますので、運転免許の「学科試験」の位置づけに当たるのかもしれませんね。知識面ではこの4つの分野は最低限押さえたいところです。

  1. 経営
  2. 財務
  3. 人材育成
  4. 販路開拓

この特定創業支援事業にある「4つの分野」については、また別のコラムでそれぞれ詳しく見ていきたいと思います。

高みを目指すなら、国家試験「中小企業診断士」へ挑戦してみよう

ちなみに、さらに「高み」を目指したいという方には、経営コンサルタントの国家試験「中小企業診断士」の1次試験7科目に挑戦してみてもいいかもしれません。

  1. 経済学・経済政策
  2. 財務・会計
  3. 企業経営理論
  4. 運営管理
  5. 経営法務
  6. 経営情報システム
  7. 中小企業経営・政策

実際に中小企業診断士を目指して取得された経営者も何人も存知上げています。また、診断士以外にも大学院の経営学修士(MBA)に挑戦する方もおられます。

さて、免許でいう「学科試験」についてはこれくらいにして、次に「技能試験」に何を求められているかを見ていきましょう。

柔道でいう「心・技・体」

柔道

まずは、柔道で「心・技・体」と言われ、この3つが整っていなければ本当の意味で「強く」なれない、と言われる技能です。これらを経営に当てはめてみましょう。

  1. 心 =フィロソフィ(経営哲学)、経営理念、価値観、ミッション、ビジョン、バリュー、意志を持つこと
  2. 技 =戦略、戦術、スキル、技術など他社と差別化できる知恵、ノウハウ
  3. 体 =実践、実行力、継続する力、具体的にはPDCAを回す力、目標を設定し達成する力

経営者に求められる資質トップ3とは?

続いて、一般社団法人日本能率協会(会長:中村正己、JMA)が役員・経営幹部を対象に実施する「トップマネジメント意識調査」(2022/2023)をみると、これからの経営者に求められる資質のトップ3は、

  1. 本質を見抜く力
  2. 変化への柔軟性
  3. イノベーションの気概

と2年を比較しても項目は変わっていません。

なお、 現在の役職に就任する前にもっと身につけておけば良かったと思う知識やスキルは「会社法・税法などに関する法律知識」「財務・会計に関する知識」です。

まとめ

ちなみに、これらの知識・スキルについて、「既に身につけている」と回答されたのは、約1~2.5割にとどまっているそうです。学びは一朝一夕にはいかないので、コツコツ継続することですね。または、信頼できるエキスパートをバディにすることでしょうか?

経営者としての自信を持つこと、でも、謙虚に学びを続けること、このバランスが大事なのかもしれませんね(自分への戒めでもあります)。

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