まずは関連する機関に相談しましょう
最初に関連する機関に相談をしておくと、必要なものが明確になります。
例えば、飲食業の場合は調理場内には2層シンクに加え、手洗い専用の設備が必要といった要件がありますが、これらを知らずに(ないとは思いますが…)内装工事が終わってしまったら、やり直すのに追加の費用がかかったり、開業スケジュールを遅らせないといけなかったりというリスクに発展してしまうこともあります。必ずチェックしておきましょう。
起業するなら知っておきたい!許認可5つの種類
許認可には「届出」「登録」「認可」「許可」「免許」の5つの種類があります。都道府県や国土交通省、保健所、税務署、警察署など、業種によって種類や申請先が異なりますので注意してください。
この5つの種類を簡単にご紹介します。
1.届出

クリーニング店のイメージ
法令で定められている事業内容を行政機関に通知する手続きです。事業内容に違法性がなく、審査基準を満たしていれば、基本的に届出は受理されます。クリーニング店や深夜0時以降に営業する飲食店などが該当します。
2.登録

ホテル業のイメージ
書類を提出し、行政機関の名簿に登録されることで事業を実施できる手続きです。届出とは異なり、書類の提出や試験の合格などの条件を満たす必要があり、また、名簿に登録されるまで事業を始めることはできません。ホテル業や旅行代理店業などが該当します。
3.認可

警備業のイメージ
事業者からの申請内容が一定の基準を満たしていると、行政機関が認める手続きです。私立学校や警備業は必ず認可が必要です。認可があれば、補助金や助成金が受けやすくなる場合もあります。
4.許可

薬局のイメージ
行政機関の審査に通過すれば、禁止されている行為を行えるようになる手続きのことで、許可が下りなければ事業を行うことはできません。飲食店は営業許可、従業員がお酌や会話を提供する料亭やバーなどは風俗営業許可、薬局は薬局開設許可などが必要です。
5.免許

美容師のイメージ
行政機関から一定の資格を持つ方が業務を行えることを認めてもらう手続きです。もちろん、免許がなければ事業を行うことはできません。美容師や看護師などがあります。
許認可が必要な主な業種一覧
和歌山県信用保証協会では、開業時に融資を申し込む際に確認を要する許認可業種を一覧で公開しています。
許認可の種類は多種多様
また、たとえば一口に「食品関係の許可」といっても、実は驚くほどたくさんあります。
営業規制(営業許可、営業届出)に関する情報(厚生労働省HP)
「飲食店営業」許可を取っていても、ケーキを販売する場合は「菓子製造業」が別途必要になったり、地域のマルシェに出店する(現地加熱あり)となれば「露店菓子営業許可」が必要になったりします。
他にも、営業開始までに必要な消防関連の届出がある可能性があります。スプリンクラーがどこにどれだけ必要になるかも、事前に管轄消防署へ相談しておけば安心ですね。
許認可で「守り」を固めよう
販売や販路開拓が「攻め」だとすれば、許認可は「守り」に当たると思います。この2つの両輪をバランスよく上手に回して、事業を発展させることは、起業家にとっては重要なポイントと言えるかもしれませんね?
みなさんの事業の成長をお祈りしています。
中小企業診断士。大卒後、東京・ロンドンで編集者として活動後、メガバンクにて為替取引に従事。帰国後に㈱きのくに未来ビジネスセンターを承継し、県内初の創業スクール(中企庁事業)を受託する等、創業や中小企業経営の支援継続中。