胡蝶蘭に魅せられて
同社代表取締役の佐原宏氏は、1984年に近畿初となる胡蝶蘭の生産を始めました。当時の胡蝶蘭は、まだ世に出回り始めたばかりの珍しい花。佐原氏が東京で胡蝶蘭を見る機会があり、「育ててみたい」と思ったことがきっかけだったといいます。
その後、同社は有田市を拠点として徐々に生産量を拡大し、胡蝶蘭市場もまた、当時の100倍以上の規模へと右肩上がりで成長していきました。
「いつしか長く花を咲かせる胡蝶蘭は縁起がいいと言われ、『幸せの花』として重宝されるようになりました。お祝い事における胡蝶蘭の贈答はもはや日本の文化のひとつです。それほど胡蝶蘭には魅力があるんでしょう」と佐原氏は笑顔で語ります。
お客様の想いに寄り添う胡蝶蘭を追い求めて
2016年頃、佐原氏は「胡蝶蘭の廃棄ゴミ」の問題に取り組み始めました。胡蝶蘭に付属する陶器鉢や鉄製の支柱等が、お客様にとって後処理が面倒な不燃ゴミになることを課題と捉えてのことです。
まず、公益財団法人わかやま産業振興財団の商品や研究開発等の補助事業である「わかやま中小企業元気ファンド」を活用して、鉄製の支柱を可燃ゴミとして捨てられるプラスチック製に変えました。
しかしその数年後、今度はその開発を元に支柱を木製に変更します。いわゆる『プラスチックフリー』へのシフトでした。
その後も同社は胡蝶蘭の付属品の改良を続け、時代の変化に伴う顧客心理の細かい機微を捉えて、変化を恐れず新たな価値を模索し続けます。
その結果、現在、環境保全に焦点を当て、また贈答用だけでなく、家庭でも楽しめる新たな価値を提供する胡蝶蘭ブランド『フォアス』を誕生させました。
佐原氏は『フォアス』の魅力についてこう話します。
「『フォアス』を選ぶことが『地球を想う』お客様自身のメッセージになります。お客様のSDGsの実践に少しでもお役に立てれば幸いです」
専門家派遣事業の活用で、 法人営業のシステムを構築
同社は、『フォアス』の立ち上げにあたり、これまで未経験だった法人営業にもチャレンジしました。ノウハウを 一 から学ぶため、わかやま産業振興財団の「専門家派遣事業」も活用して、専門家の指導を受けています。
「法人営業に精通した専門家の指導を受けながら、社内の営業システムを構築しました。営業にあたる社員は地元の女性が多く、営業未経験の方ばかりです。しかし、今では企業様からお礼の手紙をいただくようになり、そんなときはチーム全員で喜んでいます。頼もしいチームになりました。今後も一丸となって、お客様に真摯に向き合ってまいります」
「珍しい花」から「幸せの花」になった胡蝶蘭で地球にやさしく。お客様の想いに寄り添う胡蝶蘭を追い求めて、同社の挑戦はこれからも続きます。
会社名 | 有限会社ヒカルオーキッド |
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所在地 | 〒649-0313 和歌山県有田市千田2041 |
設立 | 1996年 |
TEL | 0737-23-8985 |
URL | https://www.hikaru-orchids.co.jp/view/company |
業種 | 胡蝶蘭の生産および販売 |
従業員 | 55人 |
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※この記事は、2023年3月17日発行「わかやま産業通信第15号」に掲載した内容を転載し、web用に改修したものです。
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