「今がいちばん従業員を確保しやすい」
人材紹介会社の担当者と話をしていた時に出てきた言葉です。
これだけ人手不足、人材確保難の時代にそんなはずはない、と思って聞き直しました。その答え。
この言葉の肝心なところは「今がいちばん」であり、「これまででいちばん」ではないということです。
過去よりも決して採用が容易になっているわけではありません。今年は、昨年より人材確保が困難になっているのは明らかです。さらに、将来を見通すと、人口は減少していく。特に生産年齢人口の減少は著しく、今年より来年、来年より再来年と、年々人材確保が困難になる。
すなわち、「今がいちばん従業員を確保しやすい」というわけです。
となれば、これまでのように、コストをかけ募集活動をして採用が実現しなかった場合に、同じ手法を漫然と講じ続けても、人材確保の可能性は年々低下していくだけです。
一刻も早く人材確保のための対策を講じる必要があります。やるべきことは、二つあると考えます。
対策その1
一つは、求職者が重視する条件を理解して、現状を省みることです。
求職者の意識調査(株式会社リクルート「求職者の動向・意識調査2023基本報告書)によると、仕事を探した時の重視点(絶対条件)の1位は、「勤務日数(休日・休暇)」、続いて「勤務地」「勤務時間帯」、そして「給与」は中位、低いのは「会社の業績」「会社の知名度」であり、求職者は日々の働き方を重視していることが伺えます。
例えば、休暇日数は年間120日あるのが望ましいと言われています。また週休2日、それも土・日曜日の休暇を求めているそうです。そのような勤務状況に変更できればよいのですが、一足飛びには変えられない企業がほとんどでしょう。
その場合にも、ただあきらめるのではなく、有給休暇はしっかりとれている状況をアピールするとか、月1回でも週休2日に踏み切るとか、少しでも変更できることがないか、考えてみてはいかがですか?
変更できるのであれば、「より人材確保しやすい」時期に、すなわち「少しでも早く」着手されることをお勧めします。
対策その2
もう一つは、自らの企業価値をしっかりとアピールしていくこと。加えて、間断なく企業価値を高めていくことです。
和歌山県(労働政策課)では、令和6年度からブランド戦略を通じた採用力の向上、獲得した人材定着のためのインナーブランディングの構築を促進しています。(「中小企業採用ブランド構築支援」事業)
なお、これは一つ目の視点と相反するようにも見えますが、継続的に従業員を確保し、採用した従業員が長く定着してもらうためには、企業の価値を高め続けることが大前提であることは申すまでもありません。
これらの対策を自社だけで進めていくことは、容易ではありません。しかし、全国に目を向けると、大企業等において専門職的に「採用」「人事」「給与」を担当している人材は、決して少なくありません。そのような「副業・兼業プロフェッショナル人材」の力を借りて、人材確保戦略を立て、人材確保にチャレンジしていきませんか。
「人材の採用・活用」のことは当拠点まで
プロフェッショナル人材戦略拠点は、県内企業の「正雇用従業員採用」を応援しています。
併せて、多種多様な経営課題の解決に力となる「副業・兼業プロ人材活用」を促進しております。
経営課題の解決のため、必要な人材の「採用」「活用」に関するご相談をお待ちしております。
和歌山県庁在職時に知事室長等を経験し、県の行政全般に関わる。 その後、和歌山商工会議所専務理事としての任期中に、新型コロナ感染症大流行の影響を受けた中小企業の支援に携わり、回復していく企業と落ち込みが続く企業の二極化を目の当たりにした。 「企業の業績アップのチャンスはプロフェッショナル人材にあり」と拠点マネージャーに就任し現在に至る。 状況に悲観せず、プロフェッショナル人材を効果的に活用してみませんか?