CASE STUDY 事例紹介

新製法によるCFRP(カーボンファイバープラスチック)パイプの作製に挑戦

株式会社木村屋

木村屋代表取締役

※この記事は公益財団法人わかやま産業振興財団公式サイトで2021年7月1日に公開された内容を、WAKA-CHEER(ワカチア)用に修正し、転載したものです。この記事の情報は、公式サイトでの公開当時の情報に基づいています。

株式会社木村屋

カーボンファイバーやグラスファイバーの釣竿、各種産業用ポール、カーボンパイプの製造を手がける。なかでも釣り竿はカーボン材料を素材とする純国産一貫生産にこだわり、自社ブランドからOEMまで幅広く製造している。

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工業技術センターとの連携で研究開発を推進

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新製法によるCFRP(カーボンファイバープラスチック)パイプの作製に挑戦

きっかけは2019年の展示会で、ドローン製作を手がける企業から楕円・角型のCFRPパイプの要望を受けたこと。長円や角型のCFRP素材のパイプは商機があると判断、社長自らが製造方法を考案したという。

新しい形状の実現を目指し、一定の強度を保つためのテクニカル面の課題を解決するために、新技術を事業の創出に結びつける公益財団法人わかやま産業振興財団の「未来企業育成事業」に応募。和歌山県工業技術センターと連携して試行錯誤を重ね、開発に成功した。

CFRPパイプ

CFRPパイプ

長円・角型パイプの成型に成功、事業化を目指して

開発で苦労した点は強度のムラ。丸型パイプは均等にカーボンを巻きつけやすいため、強度ムラが出にくい。一方、長円・角型は厚みが一定になりにくく、全方位からの強度を確保する製法を開発するのに苦心したという。

強度の調整を徹底的におこない、高品質の長円・角型CFRPパイプの開発に成功。耐荷重250kgの強度を活かして手術台や医療用ベッド、歯科の治療台に備え付けるポールなど医療・介護分野での利用や、軽量な点を活かしたドローンへの活用などでの事業化を見据えている。

楕円型パイプ

楕円型パイプ

財団の事業を活用してみて

木村社長は「3年前のニーズを受けて考えたアイデアを寝かせていたのは、新事業に回す資金が足りなかったから。支援事業を利用することで計画を動かせたのはありがたかった。また、新製品の製造は、やってみて初めてわかる問題点もある。私の頭のなかでは製法の目途は立っていたが、正直なところ確信はなかった。工業技術センターと連携して思う存分に研究開発を重ね、成功させられて嬉しい」と振り返る。

「財団の方にもセンターの方にもずいぶん応援してもらい、新しい事業の芽を出させてもらった。大きく育てていきたい」と笑顔を見せた。

木村屋代表取締役

代表取締役 木村 匡伸 氏

会社名 株式会社木村屋
所在地 〒648-0018
和歌山県橋本市隅田町垂井40-2
設立 1975年
TEL 0736-32-4597
URL https://www.saoya-kimuraya.com/
業種 釣竿の製造、産業用棒、カーボンパイプ製造
従業員数 30名

※記事でご紹介した未来企業育成事業は2022年に終了しました。

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