値決めは経営のキモ

京セラの創業者である稲盛和夫氏が「値決めは経営」とまで言われたように、値決めは経営のキモであり、儲かっている会社には必ず明確なルールと仕組みがあります。
この値決めを、単なる「算数」ではなく、「経営戦略」として捉えることが、起業家として成功するための第一歩です。
値段を決めるには、次の3つの側面から多角的に考えなければいけません。
- 原価から考えてみる。
- お客様の視点から考えてみる。
- 競合の視点から考えてみる。
原価から考えてみる
原価は必ず押さえましょう。
「売れれば売れるほど損をする」という状態を避けるのは当然ですが、できるだけ多くの粗利を得られる工夫も検討してみましょう。例えば、作業の工程を一つ減らせないか(排除)、似た作業をまとめられないか(結合)といった視点です。
最後に、原価を算出するときに、自分や従業員の時給(発注・請求の業務等の見えないコストもありますよね?)、配達時のガソリン代等、漏れていたり、忘れていたりするコストがないかもご確認くださいね。
お客様の視点から考えてみる

安いと喜んでもらえると思いがちですが、実は必ずしもそうとは限りません。
「安かろう悪かろう」という言葉があるように、「安いけど、品質的に大丈夫?」と不審に思われたり、また、「安いものを買っていると思われたくない」というプライドが邪魔をしたり…。ベンツを求める人に軽自動車の価格で売っても喜ばれないですよね。お客様のココロは複雑なのです。
ここで大切なのは、「価格(Price)」ではなく、「お客様が感じる価値(Value)」です。
- 価格 = お客様が支払う「痛み」
- 価値 = お客様が得られる「幸せ」
お客様に「この値段を払う価値がある」、「むしろお値打ちだ!」と感じてもらえる『値ごろ感』を探す意識を持ち続けましょう。
競合の視点から考えてみる

競合については価格調査も必要ですが、そのクオリティや競合のターゲットはだれなのかも含めて検討しましょう。
また、競合ではないかもしれませんが、自社で販売するだけでなく、卸売りがある場合や、店舗販売とオンライン販売がある場合、まとめ買いをしてもらう場合等の値段設定も十分検討しましょうね。
さらに、最初は高く設定してブランド価値を伝えるのか、まずは安くして一気に広めるのかといった『時間軸』の戦略も大切です。いずれにせよ、後から値段を上げるのは勇気がいること。最初から『安売りありき』にならないよう注意しましょう。
自信ある値決めが、会社の未来を決める
安い値段を設定するのは、「自分の商品・サービスに自信がないから」という思いがココロのどこかにあるのであれば、どうしたら自信を持って提供できるようになるのかを考えてみましょう。「高いと買ってくれないから安くする」というアプローチは、自分の『価値』を自分で下げているのと同じです。
起業家が目指すべきは、「値段は高くても、それ以上にお値打ちだ!」とお客様に感じてもらって、喜んで買ってもらえる状態です。お客様を想い、創意工夫と努力を重ねることで、自分自身(と従業員)や商品・サービスへの自信は育まれます。
あなたの自信ある値決めが、会社の未来を決めるのです。踏ん張りどころです、応援していますね!
中小企業診断士。大卒後、東京・ロンドンで編集者として活動後、メガバンクにて為替取引に従事。帰国後に㈱きのくに未来ビジネスセンターを承継し、県内初の創業スクール(中企庁事業)を受託する等、創業や中小企業経営の支援継続中。