「見えない未来」へ飛び込む力

起業とは、まさに「見えない未来」へと飛び込む挑戦の連続です。
事業計画書を作成しても、その通りにすべてが進むことなど、まずありません(計画書の意義については、また別の機会に譲りますが)。自信を持って送り出したサービスにお客様からよい反応を得られなかったり、信じていたメンバーが去ってしまったり、資金繰りに奔走して眠れぬ夜を過ごしたり……。カッコよく、華やかに見える裏側には、泥臭く、そして孤独な戦いが必ず存在します。
しかし、私が出会った「起業家」たちに共通しているのは、そこで決して立ち止まらないことです。
もちろん、彼ら彼女らも人間ですから、落ち込みもすれば、不安にもなります。ですが、「失敗」を「終了」とは捉えず、「この方法は違っていたというデータが得られた」と捉えます。
利益が出ないとわかればビジネスモデルを見直し、価格が高すぎるとわかればそれ以上の付加価値を創造する。つまり、できないことがわかったら、できる方法を探す。しなやかに軌道修正(ピボット)を行い、また次の打席に立つのです。
才能よりも「努力」が結果を決める
ダックワース教授は、著書の中で興味深い方程式を提示しています。
才能 × 努力 = スキル
スキル × 努力 = 達成
この式が示唆するのは、「努力」という係数が二度かかってくるということです。
どれだけ素晴らしい才能やアイデアがあっても、それを形にする努力、そして形になったものを社会に届ける努力を継続しなければ、大きな「達成」には届きません。
私が素敵だなと感じる起業家の皆さんは、決して「天才」だから成功しているわけではありません(もちろん素晴らしい才能をお持ちですが)。誰よりも諦めが悪く、誰よりも情熱を持って、地道な一歩を積み重ねている。その「GRIT」の強さこそが、彼ら彼女らを非凡な存在にしているのです。
実は、私が起業家のみなさんを応援していて一番心を動かされるのは、事業の「成功」そのものよりも、その苦闘の過程で人として大きく「成長」していく姿です。困難に向き合い、自身の殻を破って変化していく、その「成長」の先にこそ、真の「成功」があるのだと私は信じています。
成功するまで続ければ、それは成功になる

私の大尊敬する和歌山出身の経営者・松下幸之助氏(パナソニック創業者)も、このような名言を残しています。
「失敗したところでやめてしまうから失敗になる。成功するところまで続ければ、それは成功になる」(しつこいですが、3度目の紹介です。ちなみに過去には「プロフィール」「vol.04 ビジネスプランコンテストにチャレンジしよう」で紹介しています。)
大学生のころにこの言葉に出会い大変感銘を受けた私は、人生の「座右の銘」としていつも思い出しています。起業家のみなさんにもそれを伝えたくて、起業の支援をしているのかもしれません。
引き続き、みなさんの事業活動を伴走支援させてください。
中小企業診断士。大卒後、東京・ロンドンで編集者として活動後、メガバンクにて為替取引に従事。帰国後に㈱きのくに未来ビジネスセンターを承継し、県内初の創業スクール(中企庁事業)を受託する等、創業や中小企業経営の支援継続中。